乳歯の一生
~永久歯に生え変わるまで~

 せっかく生えそろった20本の乳歯ですが、その寿命はそれほど長くありません。あとから生えてくる永久歯のためのガイドになる、自ら磨り減ることで顎の形成を助ける、などその役割は重要ですが、一般に12~13歳くらいまでには、全て生えかわってしまいます。
永久歯に生え変わるまで生え変わりの時期や順番は個人差がありますが、5歳半くらいになるとまず下の前歯が生え変わり、続いて上の前歯が生え変わります。人によって前後しますが、生え変わりではない歯で、六歳臼歯と言われる第一大臼歯も乳歯の奥に生え始めます。
第一大臼歯は正面から6番目の歯です。永久歯のなかで一番溝も深く、形も立派で一番大きく、かみ砕く力も最大といわれています。 また、かみ合わせの中心となり、歯ならびの基礎となる重要な歯です。
 一方で、全部出てくるまでに時間がかかるので、むし歯になりやすい歯でもあります。
 生え変わるわけではないので、乳歯だと思ってケアをおろそかにするわけではないと思いますが、奥にあるので生え始めは特に見えにくく、磨きにくいので一層の注意が必要です。

上下4本の前歯が生え変わったあと、犬歯とその奥の小臼歯が生え変わります。その順番は、上の歯は小臼歯→犬歯、下の歯は犬歯→小臼歯となることが多いです。上の歯では、犬歯があとから生えるときに十分なスペースがないと八重歯になることがあるなど、生える順番と歯並びは密接に関係しています。
その後、一番奥の第二大臼歯が12歳ころ生えてきて、親知らずを除いて全ての永久歯が揃います。

乳歯が抜ける際は、最初グラグラしてきても、無理やり取る必要はありません。徐々にグラグラの程度が大きくなって自然に抜けます。 舌で痛くない程度に前後左右に揺らしてみるのは構いません。

自然に生え変わる乳歯ですが、何らかの原因でうまく生え変わらない場合もあります。以下のような場合は、歯科医院に相談したほうが良いかもしれません。
・乳歯がしっかりくっついていて痛くて取れない、
・左右対称で生えかわらない(片側は抜けたのに反対側の同じ位置の歯がグラグラしない)
・乳歯の下ではなく、少し離れて永久歯が生えてきた
・ひどいむし歯の乳歯が抜けずに残った


乳歯を無理やり抜いたり、逆に永久歯が生えてきているのに残ってしまったり、ということになると歯並びやかみ合わせに影響します。 自然の成り行きに任せつつ、上記のようなケースには多少注意を払ってください。

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